【DAISO産】フィロデンドロン・クッカバラ|セロームに似たアイツ

フィロデンドロン

こんにちは

今回のDAISOシリーズ(Standard Products)は

フィロデンドロン属の“クッカバラ”です。
DAISOでは初めて見つけた品種だったので迷わず即購入

いつも通り、特徴を洗い出して育成環境を考えつつ、植え替えをしていきたいと思います。

観葉植物コーナーの入荷日だったこの日
棚に所狭しと草たちが並んでいました。(毎日来てた)

購入直後の様子

お値段は300円+税

いつもと変わらず、ビニールポットに有機質の土で植っています。

特に傷んだ葉や徒長の様子もなく、健康的な状態。

クッカバラの特徴

自生地

南米ブラジル原産
熱帯雨林の林床で半日陰の環境に生育。
湿度の高い環境を好むが、常に水に浸かるような状態は苦手。

ブラジル(熱帯アメリカ)の土壌環境について

ブラジルの熱帯土壌は高温多湿な環境下で有機物が急速に分解され貧栄養になりやすいですが、地域によっては火山岩が風化した「テラローシャ」のような肥沃な土壌も存在し、コーヒー栽培に利用されています。しかし、亜熱帯サバンナの「セラード」地域では強酸性で肥沃度が低く、土壌改良が農業の鍵となります。 

熱帯雨林地域の土壌

  • 特徴: 高温多湿により土壌微生物の活動が活発で、落ち葉などの有機物が急速に分解されます。 
  • 養分: 腐植を多く含む表土層は薄く、養分は溶脱しやすいです。 
  • 土壌タイプ: 赤っぽい土壌が多く、ラトソル(オキシソル)に分類されます。 

テラローシャ(terra roxa)

  • 分布: ブラジル高原に広く分布し、火山岩が風化した深紅色の土壌です。 
  • 特徴: 水はけが良く、栄養分が豊富で肥沃な土壌です。 
  • 用途: コーヒーの栽培に適しており、ミナスジェライス州南部、サンパウロ州、パラナ州などで見られます。 

セラード地域

  • 特徴: 亜熱帯サバンナ地域で、強酸性で肥沃度が低い土壌です。 
  • 課題: 農業、特にコーヒー栽培においては、土壌の酸性矯正や石灰・リン酸の投入による大規模な土壌改良が必要です。 

土壌環境の変化

持続可能な農業のためには、土壌の特性に合わせた適切な改良と管理が不可欠です。 

ブラジルでは、人口増加を背景に熱帯地域で森林破壊が進み、土壌の減少や劣化が進んでいます。

 ・太く力強い根を持ち、鉢内でよく広がる
 ・通気性のある土壌を好み、過湿に弱い
 ・根詰まりすると成長が鈍り、葉のサイズが小さくなる

 ・深い切れ込みの入った濃緑色の葉
 ・葉裏の葉脈が赤っぽい
 ・葉の光沢が強く、乾燥すると葉先が茶色くなる

好む土壌

 ・弱酸性〜中性
 ・完全な乾燥には弱い
 ・通気性と排水性を重視

成長速度

 ・春〜夏に旺盛に育ち、新しい葉を次々と展開する
 ・セロームよりはやや成長が穏やかで、鉢植えでもまとまりやすい
 ・冬は生育が止まり、寒さで葉を落とすこともある

その他

 ・寒さに弱く、最低でも10℃以上を保つ必要がある
 ・乾燥に弱いため、空気が乾く季節は葉水をして湿度を補う
 ・根や茎にはシュウ酸カルシウムを含み、皮膚がかぶれることがあるため注意

セロームとクッカバラの違い

同じフィロデンドロン属セロームとよく似ており
生育の進んだクッカバラがセロームとして売られている園芸店も多いようです。

観察箇所セロームクッカバラ
葉の切れ込み切れ込みが深く、葉が細長く裂けるようになることが多い。
裂けた部分の角(尖った部分)が目立つ。
切れ込みはあるけれど、裂けが浅めで「羽状」より「切込みがある広い葉」の印象。
切込が細く尖るより丸みを持つことが多い。
葉の幅と形葉が大きく、幅が広く縁が波打ちやすい。
葉の先端がやや尖るタイプが多い。
比較的葉がコンパクトで、クッカバラはセロームに比べて
葉の展開がやや整っていて暴れにくく感じる。
葉の光沢と質感厚みがありツヤが強いものが多い。
やや重厚感がある。
やや軽やかでツヤはあるものの、セロームほど重厚ではない印象。
葉が薄く見えることも。
新葉の出方・株の形新葉が大きく伸び出て、葉柄も太く元気よく展開。
株姿は放射状に大きく広がる。
新葉はやや穏やかに出て、株姿も比較的まとまる。
広がりすぎずクッカバラの方が空間に収まりやすい。

Terrafoliaのセロームは盆栽チックに仕立てています。

育成環境を考える

原産地のブラジルは 高温多湿の熱帯林床 で、有機質を多く含む肥沃な土壌。
「半日陰」「高湿度」「通気性のある土」を意識することが重要。
常に湿った状態では根腐れリスクが高いため、「乾いたらたっぷり」の水やり管理 が理想。

用土

本来であれば有機質主体の土で成長促進させたいところですが
室内環境なので無機質主体で用土構成していきます。

用土割合役割
赤玉土40%ベース 保水・排水・保肥のバランス
日向土20%排水性
鹿沼土20%酸性補強と排水性
ベラボン10%通気性改善と保温効果
ゼオライト5%保肥力向上と有害物質の吸着
竹炭5%通気排水改良、pH調整、微生物活性化

鹿沼で少し酸性に寄せつつ、日向土とベラボンで空気を入れてやることで
根腐れ防止と湿潤維持の両立を目指した構成
ベラボン以外は無機質のため保肥力を底上げするためにゼオライトを少量混成

ふわっと軽めで水はけが良く、かつ水分を一定量保持するブレンドです。

マグァンプK

ここにマグァンプKを規定量混ぜ込みます

フィロデンドロン属は

  • セローム
  • セローム・スーパーアトム
  • バーキン

上記の三種類をすでに育成しております。

中でもセロームはかなり大きく、今後もさらに巨大化していきそうな状態ですが
この”クッカバラ”は割とコンパクトに成長するらしいので
じっくりゆっくり。

成長速度”よりもインテリア性を重視しようと思います。

選ばれたのは・・・

陶器鉢でした。

素焼き鉢ほどではないものの、通気性に優れているため
クッカバラの特徴である”過湿を嫌う”という点はクリアしやすいでしょう。

置き場所

日陰で1週間程度の養生後、東向きの窓際で午前中のみ直射日光が当たる状況で育成していきます。

植え替えの様子

購入から1週間ほど経過してから植え替えを実施

根が傷んでいる様子は特になかったですが、下の方にばかり根が回り
鉢の上部はスカスカという状態。

有機質の土は、根にとって甘やかされた環境のようで
土が柔らかく伸ばしやすい反面、水が溜まりやすい下の方にばかり根が回っていくそうです。

冬場の寒さや夏の暑さに耐えうる”丈夫な株”にするのであれば
成長は少し遅くなるものの、無機質主体の用土が良さそうです。

今ついている有機質の土は、根にダメージを与えない程度に取り除いて新しい鉢へ植え付けていきます。

植え替え後の様子

ウォータースペースが1cmほどしかなく、もう少し深さのある鉢にすれば良かったかなと思いますが
素焼き鉢・駄温鉢よりもインテリア性に富む見た目になったため概ね満足です。

セロームほど置き場所も広くなくていいため、このままコンパクトに育成してくれると嬉しいですね。

とはいえ、成長したクッカバラはセロームと間違えられるほどになるらしいので
どこまで巨大化するかも楽しみにしておきます。

つづく。

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