DAISOシリーズ
(Standard Products)
今回はサトイモ科の“クワズイモ”(Alocasia Odora)を迎え入れましたので
特徴を洗い出して育成環境を考えつつ、植え替えをしていきたいと思います。
購入直後の様子

お値段500円
DAISOでもかなりの頻度で見かける品種です。
入荷してから日が経っているものは葉が萎れたり折れていたりしますが
こちらの株は比較的綺麗な状態でした。
クワズイモの特徴
自生地
中国南部、台湾からインドシナ半島、インドなどの熱帯・亜熱帯地域
日本では四国南部から九州南部~琉球諸島に分布
ここ最近では自生地がさらに北上しているようです(研究論文を参照)
ジャングルの木々の根元付近で生い茂っているイメージ

根
・塊根状に太く伸び、乾燥には強いが過湿に弱い
・鉢内が蒸れると根腐れを起こしやすい
・強い根張りで鉢を割るほどの力を持つ
葉
・大きなハート型で南国らしい見た目
・葉柄が長く伸び、広がるためスペースを要する
・乾燥に弱く、葉先が茶色くなるのは空気乾燥や根傷みのサイン
好む土壌
・弱酸性〜中性
・通気と排水を意識した配合が良い
・屋外管理を見越しても過湿に耐えるバランスが必要
成長速度
・春から夏にかけて一気に成長する
・環境が合えば1シーズンで50cm以上伸びることもある
・冬はほぼ成長が止まり、葉を落とす場合もある
その他
・寒さにやや弱い。5℃以下にも耐え得るが、理想は10℃以上をキープしたい
・九州以北の場合は室内越冬が必須
・切り口や葉汁にはシュウ酸カルシウムを含み、皮膚がかぶれる場合があるので注意
育成環境を考える
- 原産国の土壌は肥沃でローム質が多い
- 半日陰で高温多湿を好む
- 常に湿った状態だと根腐れリスクが高い
上記の特徴を意識しつつ土・鉢・置き場所を決めましょう。
用土
本来であれば有機質主体で成長促進させたい植物ですが
室内環境のため、無機質主体で用土構成していきます。

用土 | 割合 | 役割 |
---|---|---|
赤玉土 | 40% | ベース 保水・排水・保肥のバランス |
日向土 | 20% | 排水性 |
鹿沼土 | 20% | 酸性補強と排水性 |
ベラボン | 10% | 通気性改善と保温効果 |
ゼオライト | 5% | 保肥力向上と有害物質の吸着 |
バーミキュライト | 5% | 保水力の補強 |
鹿沼で酸性に寄せつつ、日向土とベラボンで空気を入れてやることで
根腐れ防止と湿潤維持の両立を目指した構成
ベラボン以外、無機質のため保肥力を底上げするためにゼオライトを少量混成

ここにマグァンプKを規定量混ぜ込みます
鉢
まだまだ幼苗でぐんぐん成長してほしいため
見た目よりも実用性を重視させたいと思います。

素焼き鉢(テラコッタ)
用土が赤玉土主体かつバーミキュライトも含んでおり、保水性は十分。
冬場の“土が乾かない” & “寒さ”の対策として
通気性抜群・保温効果もある素焼き鉢で対策していきます。
塊根部分が縦に長いので、通常よりも少し深めの鉢をチョイス

鉢底ネット→鉢底石を約1cmほど敷き詰めて排水性を確保
置き場所

日陰で1週間程度の養生した後
東向きの窓際で午前中のみ直射日光が当たる場所に配置。
午後はLEDでの保光はせず、いわゆる“明るい日陰”の状態をキープしていきます。
植え替えの様子

太く、健康そうな色の根が見えていますが・・・

土を外してみると、ほとんど塊根部が土に埋まっていただけで
実際の根はさほど多くなかった。
同じように塊根の半分近くを土に埋める形で植え替えを行なっていきます。
植え替え後の様子

深型の鉢にして正解
インテリアとしても縦方向にスタイリッシュさのある観葉植物になりました。

アロイド系(サトイモ科)特有のドリル状で出てくる新葉も。
現在、9月中旬
まだまだ成長する期間なので
日陰で養生後、この新葉が動き出す頃に東側の窓辺へ移動させ
液体肥料などを施肥していこうと思います。
成長が緩慢になってきた頃に、また様子をご紹介しようと思います。
つづく