根本の大きな塊から一本の茎を伸ばして広げる葉の姿は
「トロピカル」や「ジャングル」的な感じがありますが
全体的に見るとどこか「和」のテイストも持ち合わせているような
そんなリュウビンタイを盆栽のようにアレンジしていきたいと思います
リュウビンタイの特徴(一般的な観葉植物と異なる点)
いつも通り、リュウビンタイの特徴
他の植物と異なる部分をひたすら調べていきます
1. 根っこ
- 一般的な観葉(フィカスやポトスなど)が細根主体で、鉢の中で均等に張るのに対し、リュウビンタイは 塊茎(かいけい) があり、そこから太く力強い根を伸ばす。
- 塊茎はイモのように肥大化し、養分・水分を貯えるため、観葉植物というより塊根植物に近い性質をもつ。
2. 葉っぱ
- 普通の観葉植物はシンプルな葉や光沢のある葉を持つが、リュウビンタイは 巨大な羽状複葉(シダ特有の frond) を展開する。
- 葉は1枚で1m以上にも達し、「ジャングル感」が強い。新芽はゼンマイ状に巻いて展開する。
3. 好む土壌
- 一般的な観葉は排水性重視だが、リュウビンタイは 常に湿り気がある保水性の高い土 を好む。
- 腐植質に富んだ、湿ったジャングル林床のような土壌が理想。赤玉土や日向土など無機主体よりも、バーク堆肥やベラボンをしっかり入れるのがよい。
4. 成長速度
- 一般的な観葉(フィカス・ポトス)は条件が良ければ年間を通して葉を展開するが、リュウビンタイは 環境依存が強く、温湿度が安定していないと成長が止まる。
- 条件が整えば葉の展開は力強く、一気に大株へ成長するポテンシャルあり。
5. 耐性・環境適応
- 耐陰性:強い(シダ特有で直射日光は苦手、明るい日陰がベスト)。
- 耐寒性:弱い(10℃以下で成長が鈍り、5℃以下で枯死の危険)。
- 乾燥:極端に弱い。水切れすると葉がすぐに枯れ込む。
- 湿度:高湿度を好む。一般観葉より霧吹きや加湿の重要度が高い。
6. その他の特性
- 日本では屋久島以南に自生する希少植物で、栽培にはやや難易度がある。
- 塊茎が年々大きくなり「生きている化石」とも呼ばれる存在感。
- 病害虫には比較的強いが、乾燥でダニや枯れ込みが起きやすい。
植え替え実施

撮影日:2025年6月30日
購入してから丸一日放置し、水切れ状態でうなだれている様子
リュウビンタイは水切れを起こすと茎がこのように垂れ下がりますが
この状態でも水を上げるとすぐ復活する頑丈さも持っています
使用した用土
好む土壌特性を押さえつつ、市販の用土2種類を50:50でブレンド
PROTOLEAF 室内向け観葉・多肉の土(無機質)50%


原料:鹿沼土・パーライト・赤玉土
※赤玉割合が少なめな印象
肥料配合:有り(速効性肥料・緩効性肥料)
これだけだとかなり排水性に寄った状態なので
リュウビンタイには少々きつい環境
花ごころ 観葉植物の土 マグネシウム配合(有機質配合)50%

原料:ココナッツファイバー・木質堆肥・パーライト・バーミキュライト
※かなりピート系の質感
肥料配合:有り(緩効性肥料)
この用土、単体で使うと保水性抜群すぎて水やりの際に
すぐ鉢の上から水が溢れてきます
リュウビンタイやアスプレニウム、アジアンタムなどの湿潤環境が大好きな植物にとっては
最適な用土だと思います
今回は表土に苔も敷き詰めるため、配合を50%に留めて程よい保水性・排水性の状態にしていきます
植え替え後

植え替え後にメネデール希釈水で水やりを行ってから約1時間後
水をたくさん吸って茎がぴーーーーーんの状態
この状態ですでに盆栽チックになっていますが
ここから苔を敷き詰めていきます

そもそもがアシンメトリーな伸びかたをする植物なので塊茎を端に寄せて余白を持たせました
さらに成長していった際には「懸崖樹型」の様な姿になってくれると嬉しいですね
リュウビンタイを盆栽化するメリット
前述の通り、リュウビンタイは寒さと乾燥に弱い
そのため、表土に苔を敷き詰めることにより
保湿効果と保温効果を両方満たすことができるので生育の観点から見ても非常に有用
一つ欠点を挙げるとすると、苔を敷き詰めることで土の状態が確認しづらく
乾いているか、水をあげてもいいかの判断が難しくなりますが
茎や葉が垂れ下がってくるのが水切れのサインなので、そのタイミングで水やりをすればOK
(少し茎がくたっとしてきたかな?のタイミングで鉢底から流れるくらいたっぷり与えます)
根が落ち着いたら液体肥料&活力剤も与えつつ、成長を見守っていきます
つづく